感想・お問い合わせは Web Clap！にて受付中
若葉萌え、若き乙女の恋萌える。
優しいアナタの手を握り、春の陽気に誘われて、影を並べて薄い青の空を見上げて。
「……ねぇ、先輩？」
「……あのね、先輩！」
頷くばっかじゃ、つまんないよ。
いっぱい、いっぱい、お話したいの！
優しいアナタの手をつなぎ、揺れる春風と戯れて、肩を並べて薄紅色の桜を見上げて。
「……でもね、先輩。」
「……だからね、先輩！」
笑ってばっかじゃ、わからないもん。
もっと、もっと、お話したいの！
「…………」
目は口ほどにモノを言うから、覗き込んで、しっかり見詰めて。
”ねぇ、先輩。……先輩の愛情は、ココにある？”
”あのね、先輩。……私への愛情は、ドコにある？”
言ってくれなきゃ、わかんない。
だからね、うんとね、お話したいの！
「つかまえた！」
ギュッ、と引っ付いてみても、困った顔して笑ってばっかり。
”ねぇ、どれだけ近付けば、先輩から愛が見えるの？”
”ねぇ、もっともっと近付けば、私への愛を見せてくれるの？”
「甘えたなヤツだな……」
なんて言って、優しい顔して笑ってないで。
もっと特別な顔して笑って。
もっと特別な言葉を聞かせて。
”あのね、先輩。……ずっと、ずっと傍に居たいの。”
”だからね、先輩。……いつも、いつも一緒がいいの。”
見せてくれなきゃ、わかんないの！
でもね、いつもね、どうして恥ずかしがっちゃうの？
優しいアナタの手に引かれ、傾きだした日の下で、ヒラヒラ舞い飛ぶ蝶々を追いかけ、恋を連れ出し、アナタを見上げて。
「ねぇ、先輩？」
「あのね、先輩！」
目は口ほどにモノを言うから、覗き込んで、しっかり見詰めて。
”先輩、先輩、大石先輩！私ね、いつでも先輩がスキなんだ！！”
「どうかしたかい？」
なんて言って、困った顔して笑ってないで。
もっと私の心を覗いて。
もっと私の気持ちを読んで。
「……大石先輩、ラブラブ……」
私の言葉に、小首を傾げた大石先輩。
「は？ らぶら……ぶ？」
頭の中で「はてな？」飛び交い、意味聞き返す大石先輩。
ほんのり紅差す頬膨らまし、口を尖らせ言ってみる。
「ラブがラブじゃ、嫌なんです！ ラブは、ラブラブが良いんですぅ〜〜！」
「あのなぁ、……」
なんて言って、照れた顔して、困ってないで。
うんと好きだって、教えてちょうだい！
うんと大事って、お口で言って！！
”あのね、先輩。……ラブは０(ラブ)じゃ、嫌なんだよ？”
”だからね、先輩。……ずっとずっと、ラブラブしてね？”
若葉萌え、麗しき乙女の恋薫る。
優しいアナタの手に引かれ、黄昏歩く、恋の道。
【ＥＮＤ】